京都市立西京中学校「特別授業」

10月から11月にかけて、京都市立西京高校附属中学で、「特別授業」が開催されました。2005年にはじまった「特別授業」は今年で10回目。
1回目の授業は、中学3年生全員が参加する「イントロダクション」(「経済」とは? 大竹文雄・大阪大学教授)。2回目~6回目は希望者が出席して「特別授業」が行なわれました。

テーマ講師
「経済入門」10月23日(木)大竹文雄先生・大阪大学教授
「社会保障のイロハ」10月28日(火)西村周三先生・京都大学名誉教授
「働き方から見る日本人の暮らし」11月4日(火)西村 理先生・同志社大学教授
「貧困削減政策を評価する」11月11日(火)伊藤高弘先生・神戸大学准教授
「経済と環境問題」11月17日(月)内藤登世一先生・京都学園大学教授
「環境と持続可能開発」11月19日(水)上須道徳先生・大阪大学准教授

経済入門大竹文雄・大阪大学教授 2014年10月23日(木)


th_大竹文雄
「社会はこれから先どのようになっていくのだろうか?」という疑問をもったことはありませんか。また、「どうすれば、この社会の中でうまく生きていけるだろうか?」という疑問はどうでしょうか。こうした疑問に答えるためには、私たちの社会がどういう仕組みで動いているか、私たち人間はどういう行動をとるのかを理解する必要があります。つまり、経済の考え方を理解することです。この講義はその第一歩です。

社会保障のイロハ西村周三先生・京都大学名誉教授 2014年10月28日(火)


th_西村周三
日本人の平均寿命は、女性が86.6歳で、男性が80.2歳です。人生はとても長いです。その間、幸せな時期もあれば、経済的に苦しくなることも病気になることもしばしばあります。こういう時の備えを提供するのが、社会保障です。もちろんそのためには誰かが税金などを支払わなければなりません。どんな保障があるのか、なぜそれが必要なのか、また誰がどのように負担すべきかを考えたいと思います。

働き方から見る日本人の暮らし西村 理先生・同志社大学教授 2014年11月4日(火)


th_西村理
小中学生の将来の夢のNo.1は「プロ野球の選手」ですが、夢を実現する子供は一握りで、多くは会社で働くことになるでしょう。また、会社勤めにしても、お父さんやお母さんの若い頃の時代とずいぶん変わりました。いまや、同じ世代の半数以上が大学へ進学します。そして、大学卒業後は大企業に就職を希望する人が多いのですが、実際に大企業に採用されるのはその約半分にすぎません。さらに、会社員の中でも非正規労働者が増えました。なぜ、このように働き方が変わってきたのか、わかりやすく解説したいと思います。

貧困削減政策を評価する伊藤高弘先生・神戸大学准教授 2014年11月11日(火)


th_伊藤高弘
開発途上国には、日本では当たり前の生活インフラ(例えば電気やガス、水道など)が整備されていない地域も少なくありません。私が広島大学の研究者と共同で調査しているネパールの山岳地帯の村々も、そのような地域の一つです。この授業では、ネパール政府が電気も水道もない村々を対象に行っている政策プログラムを例に挙げながら、貧困削減政策の評価やその方法について学びたいと思います。

経済と環境問題内藤登世一先生・京都学園大学教授 2014年11月17日(月)


th_内藤登世一
一般に、経済が発展すると環境問題が起こるため、経済は環境を破壊する悪者だと思われがちです。しかし、実際には逆に経済が環境を守ることもできるのです。そのことを、経済学の考え方を通して理解することを目的とします。環境問題が起こる原因について考えることから始め、いくつかの経済学の原理やアイデアを紹介しながら、環境を守るための経済政策について解説します。最後に、生徒が企業者になって「排出量取引」の実践を行ない、そのしくみや優れた利点について理解を深めます。

環境と持続可能開発上須道徳先生・大阪大学准教授 2014年11月19日(水)


th_上須道徳
みなさんは「開発」や「貧困」、「環境」、「持続可能性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?この授業では「開発」と「環境」という二つの側面から低所得国や発展途上国の現状や展望について学びます。「開発」と「環境」は社会や人々の暮らしに深いかかわりがある一方、貧困などの問題は遠い国で起こっている印象を持っているのではないでしょうか? 「開発」や「貧困」、「環境」という問題が日本に住む私たちとどのようにかかわりがあるのか、私たちができること、すべきことを含めて、みんなで話し合いたいと思います。