京都市立西京高校附属中学「特別授業」

10月から11月にかけて、京都市立西京高校附属中学で、「特別授業」が開催されました。2005年にはじまった「特別授業」は今年で11回目。1~3回目の授業は、中学3年生全員が参加。4回目は各クラスでそれぞれ「特別授業」が行なわれました。

テーマ講師
「経済入門」10月19日(月)大竹文雄先生・大阪大学教授
「君たちはなぜ学ぶのか」10月23日(金)西村和雄先生・京都大学名誉教授
「経済のみかた――市場・再分配・相互扶助」
10月27日(火)
西村周三先生・京都大学名誉教授
「経済と環境問題――環境を守る経済政策」11月9日(月)内藤登世一先生・京都学園大学教授
「経済学から考える食糧問題」
11月9日(月)
上須道徳先生・大阪大学准教授
「働き方からみる日本人の暮らし」11月10日(火)西村理先生・同志社大学教授

経済入門大竹文雄・大阪大学教授 2015年10月19日(月)

th_大竹文雄
「社会はこれから先どのようになっていくのだろうか」、という疑問をもったことはありませんか。また、「どうすれば、この社会の中でうまく生きていけるだろうか」という疑問はどうでしょうか。こうした疑問に答えるためには、私たちの社会がどういう仕組みで動いているか、私たち人間はどういう行動をとるのかを理解する必要があります。つまり、経済の考え方を理解することです。この講義はその第一歩です。

君たちはなぜ学ぶのか西村和雄・京都大学名誉教授・神戸大学特命教授 2015年10月23日(金)

th_西村和雄
「なぜ勉強しなければいけないのか」そして「何を勉強したらいいのか」という疑問をもったことはありませんか。また、「正直者は損をする」と思ったことはないでしょうか。今回の講義で、経済学の話をまじえながら、一緒に考えてみましょう。

経済のみかた――市場・再分配・相互扶助西村周三・京都大学名誉教授 2015年11月27日(火)

th_西村周三
お金の流れと仕事の流れを、①モノやサービスを売買して手に入れたり提供する仕組み、②政府などが税金を集めて配る仕組み、③お金を媒介としないで奉仕活動などを行なう仕組み、の三つに分けて考えます。

経済と環境問題――環境を守る経済政策内藤登世一・京都学園大学教授 2015年11月9日(月)

th_内藤登世一
一般に、経済が発展すると環境問題が起こるため、経済は環境を破壊する悪者だと思われがちです。しかし、実際には逆に経済が環境を守ることもできるのです。そのことを、経済学の考え方を通して理解することを目的とします。環境問題が起こる原因について考えることから始め、いくつかの経済学の原理やアイデアを紹介しながら、環境を守るための経済政策について解説します。最後に、生徒諸君が企業者になって「排出量取引」の実践を行い、そのしくみや優れた利点についての理解を深めます。

経済学から考える食糧問題上須道徳・大阪大学准教授 2015年11月9日(月)

th_上須道徳
食糧は私たちが暮らしていくうえで欠かせません。日本では肥満が問題になるなど飽食にありますが、世界には飢えに苦しんでいる人が10億人以上いるといわれています。一方、日本は多くの食糧を外国に依存していますが、今後、世界の食糧の需要は急増するといわれています。この授業では、これら状況を食糧問題として考え、その現状について経済学の視点から学びます。そして、科学技術分野、経済学分野における最先端の研究を紹介しながら、その解決法についてみなさんと考えたいと思います。

働き方からみる日本人の暮し

th_西村理
小中学生の将来の夢のNo.1は「プロ野球の選手」ですが、夢を実現する子供は一握りで、多くは会社で働くことになるでしょう。また、会社勤めにしても、お父さんやお母さんの若い頃の時代とずいぶん変わりました。いまや、同じ世代の半数以上が大学へ進学します。そして、大学卒業後は大企業に就職を希望する人が多いのですが、実際に大企業に採用されるのはその約半分にすぎません。さらに、会社員の中でも非正規労働者が増えました。なぜ、このように働き方が変わってきたのか、わかりやすく解説します。